第55回アスパラガスの会レポート/理想の職場環境ってどういうの?
2015年6月27日(土)に開催された第55会アスパラガスの会のレポートです。
テーマは「理想の職場環境ってどういうの?」
といったものでした。
発達障害者の就労においてやはり無視できないのが職場環境ですが、まずは「理想」、こうだったらいいな、ああだったらいいな、というところから考え、それを民間企業の現実にどうすりあわせていくか?そのために必要な工夫などを考えていく機会にできたら...
というところなのですが、さてどんな話が飛び出したかご紹介しましょう。
テーブルA(司会:ならんど)
主に仕事上でのコミュニケーションの話が出たようです。
昨今、職場イジメなども話題になり、心の病などの労災認定が増えています。今回実際に心の病で会社を辞めた方もいらっしゃいました。
こういった環境について
- 健常者でもそういった傾向がある。
- なかったことにしてしまう場合も。
などがみられる。
また、そういった状況について、
- コストの問題から即戦力を求め、人材育成の余裕がない。
- チームで仕事するわりにスタンドプレイが目立つ
- ポジションを奪われたくないことから新人イジメが起こることがある。
- 上司に余裕がない。
- (指示する側が)個人の能力差を見ていない
- (結果として)信頼関係が築きにくい
などの潜在的な要因が挙げられました。
職場環境の改善へ持ち込むための提案に関して
- まず相手が受け入れやすい形に持ち込むことが肝要。
- できること前提で頼むのではなく「やってみませんか」という自分も含めた形での提案にする。
- 普段から上司から部下に、部下から上司に情報を伝えることが流れをスムースにしておく。
などの注意ポイントが挙げられました。
基本的に情報の流通をよくしておくことが、仕事のしやすい環境になるというところでしょうか。
テーブルB(司会:まみあなねこ)
職場の音や光などの物理的な環境に関してからスタートしました。
- ある程度うるさい方がいい(眠くないにくい)
- 意味のある音(人の声)が聞こえないほうがいい(BGMも含め、集中しにくい)。
- 環境音(空調音・道路騒音等)は静かなほうがいい。
- 旧式の蛍光灯器具のブーンという音は気になる。
- 明るすぎるのは苦手(しんどい)。
- ニオイの少ない環境がいい(香水、衣類の柔軟剤のにおい等で気持ち悪くなる場合も)。
このあたりは定型発達者の場合よりも良い環境を求める傾向はあるのかもしれません。
仕事上でのコミュニケーション環境に関しては
- 曖昧な指示がすくないほうがいい。
- (曖昧な点の確認等)疑問点を質問しやすい環境がいい。
- もちろん相手の都合に配慮する必要はある。
- 普段から苦手や得意についてわかりやすくアピールしておくことも重要
といった話が出ました。
話変わってアフターファイブ環境に関して
- 飲みニケーションの出席の縛りが少ないほうがいい。
- 飲み会に出るにしても睡眠時間は確保したい。
飲み会を断るor早めに帰るときの言い分について、男性のほうが断る時に使って角が立ちにくい理由が少ないという話も出ました(言い訳の開発が必要という話も)。
職場の環境というと、人間関係といったものはとても大きいのですが、物理的な環境、そしてこちらからどうアプローチするかというのも非常に重要な要素となるといったところでしょうか。
今回のレポートは以上です。
投稿者:狸穴猫
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